技術のコモディティ化とは【続】

特許
お疲れ様です、喜至です。
昨日の記事では技術のコモディティ化について説明しました。

 

また、まとめとして就職先や転職先を決めるうえで、商品がコモディティ化していない業界を選ぶことが大切だと言いました。しかし・・・

 

「どんな業界がコモディティ化しているの?」「どうやって見分ければいいの?」という疑問がわいてくるかと思います。

 

本日はその辺を解説していきます。
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【本の紹介】知財戦略のススメ コモディティ化する時代に競争優位を築く

解説に入る前に書籍を紹介したいと思います。
 
私が「技術のコモディティ化」というワードを知ったのはこの書籍を手に取った時でした。
 
 

技術力と特許出願数が圧倒的な日本がなんで新興国の製造業にシェアを奪われるのだろう?という疑問を技術のコモディティ化というメカニズムで納得のいく答えをくれた本です。

 
この本にはコモディティ化する業界の知財戦略や対策といった内容も書かれています。
 
特許はあるはずなのに海外メーカーにシェアを奪われているという状況に心当たりのある方は読んでみると参考になるかと思います。
 
コモディティ化する業界の見分け方もこの本の内容を簡略化してお伝えしていきます。
 

コモディティ化の予測式

著者である鮫島さんは技術のコモディティ化が起こる時期について以下のような経験則を得たと言っています。
 
[(製品の上市時期ー特許出願件数ピーク時期)の中間時点]+20年
 
実際にネオジム磁石を例にしてコモディティ化が始まる時期を予測した計算結果がある。
 
ネオジム磁石は1983年に発売され、2005年に特許出願のピークを迎えており、[ ]内の中間時点は1994年となる。つまり1994+20=2014年からコモディティ化が始まるという予測を著書で立てている。
 
実際にネオジム磁石のシェアが2014年にどうなったかは著書で紹介されていないため、ちょっと自分で調べてみた。その結果が下のグラフである。
 
neo
中国企業に半数以上のシェアを奪われ、日本企業のシェアは25%程度と低迷している状態となっていた。日本は電気自動車などに使われる高品質のハイエンドモデルでシェアを保っているがこれらのシェアを失うのも時間の問題と考えられる。
 
このシェアに至るまでの推移はデータが見つからなかったため分からないが、鮫島さんが予測した2014年にはすでにコモディティ化によるシェアの低下が起きており、実際には±5年程度の誤差があると考えられる。
 


コモディティ化が起きる業界

著書ではすでにコモディティ化が起きた業界とこれからコモディティ化にさらされる業界が載っている。
 
すでにコモディティ化が起きている業界
・太陽光パネル
・DVDプレイヤー
・液晶パネル
・DRAMメモリー
・カーナビ
・リチウムイオン電池
 
これからコモディティ化が起こる業界
・デジタルカメラ 2018年を目途にコモディティ化すると予測されている。
 
ここに挙げられた他にもコモディティ化が控えている製品、業界は数多くある。自分の会社や転職先のシェアと併せてコモディティ化が予測される年を計算してみると安定した業界か否かを判別できるかもしれない。
 
また、既存事業のコモディティ化に先立ち、新たな事業の立ち上げを行っているなど将来を見据えた活動を行っている企業は経営陣が優秀である可能性が高いと思う。
 
実際に私の前の職場は既存事業で一時的に儲けてあぐらをかいて、将来への投資を行わなかったばかりにコモディティ化によって価格の下落→倒産寸前(実質的には倒産)までいったことがある。
 


技術のコモディティ化、就職活動や転職活動の指標の一つに加えてみてはいかがでしょうか。
参考になれば幸いです。

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