お疲れ様です、喜至です。
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本日は上の記事でちょろっとお話しした「技術のコモディティ化」についてお話したいと思います。
技術のコモディティ化って何?
先の記事では
・技術自体が成熟してしまって、研究開発コストをかけた割に性能が伸びない、差をつけにくい状態。
・基本的な特許は存続期間切れとなっており、海外メーカーが特許なしでビジネスできる領域が拡大している状態。
とお話しました。
この辺をもう少し深堀してみましょう。
先発メーカーが新しい製品をマーケットにリリースした時、製品は基本特許で守られているため誰も同じ製品を作れません。
先発メーカーは製品のシェアを伸ばしながら改良を行って性能を上げていきます。
だんだん技術が成熟していくと、性能を伸ばすのが技術的またはコスト的に難しくなってきて成長は鈍化していきます(図の黒線)。
そうこうしている内に先発メーカーが持っていた特許の存続年数が満了し特許が年々消滅していきます(図の赤丸)。
特許が切れ始めたころから製品の開発、販売を考える後発メーカーが出てきます。
後発メーカーは公開されている特許公報や製品のリバースエンジニアリングなどから、手探りで開発した先発メーカーよりも楽に製品開発ができます。
また、年々、先発メーカーの特許が消滅していくので自分の製品に適用できる技術領域が年々増加していき、それに伴い性能が向上していきます(図の赤線)。
そしていつか、後発メーカーの製品性能が市場で求められている性能(図の赤点線)に達すると、先発メーカーは後発メーカー製品とシェアを争うことになります。
この時、日本のメーカーがとった選択肢は「より高性能化することで差別化する」というものでした。
しかし、ユーザーからすれば大差ない性能なら安い方を買います。後発メーカーは開発費が先発メーカーよりも小さいため、安価に製品を販売できて有利です。
こうしてシェアがどんどん奪われていきます。
上記のような、すでに技術が成熟していて性能面で差別化することが難しい場合、行きつく先は価格競争です。
価格競争が始まると、収益率が下がり業績が下降し始めます。また、後発メーカーは往々にして人件費の安い、資源が豊富な新興国メーカーであるケースが多く、価格競争で日本は勝てません。
はい、どん詰まりデスね( -д-)ノ
コモディティ化の例【太陽光パネル】
よくコモディティ化の例として太陽光パネルが挙げられます。
太陽光パネルはシャープが上市し、2000年まで世界で90%という圧倒的シェアを誇っていました。
しかし、中国メーカーがシャープの2/3以下の価格で太陽光パネルを供給するようになり、2010年にはシェアが7%まで低下しています。
この時、シャープの特許は5000件以上保有しているにもかかわらず、中国メーカーの快進撃を止められませんでした。
これは中国メーカーが存続期間が満了した特許の技術で製品を作っていたためです。
シャープの太陽光パネルの方が中国メーカーの太陽光パネルよりもエネルギーの変換効率が10%程度高い、高性能なものですが、マーケットはコストパフォーマンスの面で中国製を選んだということになります。
つまり満了特許でつくる製品の性能が市場の求める性能まで達してしまい、太陽光パネルという技術がコモディティ化したということになります。
私は技術がコモディティ化を起している業界やこれからコモディティ化が待っている業界では業績の低迷が避けられないと考えています。
というのも私の転職前の業界がまさにこの例の通りになっていたからです。
これから就職活動を始める方や転職をされる方はこういった部分にも気をつけて業界を選んでみるといいと思います。
参考になれば幸いです。
下記の記事でコモディティ化についてさらに解説してます。 技術のコモディティ化とは【続】
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