【知財スキル】技術傾向分析や競合他社との比較ができるパテントマップ

知財スキル
こんにちは、喜至です。
本日はパテントマップについて書いていこうと思います。

パテントマップとは

パテントマップとは特許情報から技術トレンドや他社の特許保有量などを分かりやすく視覚化したものです。

パテントマップには特に決まったフォーマットはありません。なぜならパテントマップを作成することで誰に何を伝えたいのかによって見せ方が変わるからです。
パテントマップを作成すること自体が目的ではなく、パテントマップを基になにを伝えたいかを念頭において作成しましょう。
ということで、実際に作成していきます。

調査テーマ

機械部品メーカーであるX社はFRPの技術を自社に導入して新製品を開発したいと考えています。

あなたは知財部員で、会社は開発パートナー選びと参入分野の判断材料を求めています。
まずはFRPに関する特許情報の集合(データ)を取得しましょう。
今回は「かんたん特許検索」で集合を作成しました。FRPをカバーしているFI(ファイルインデックス)を入力してCSVファイルをダウンロードします。ちなみに「かんたん特許検索」は収録されている特許情報に限りがありますので通常の業務で使用するには注意が必要です。
かんたん特許検索
そしてダウンロードしたファイルをEXCELで開きます。

パテントマップ3

出願番号や出願日、出願人、FIなどの情報を取得できました。しかし、これを人に見せたところで「はぁっ!?(゚∇゚ ;)エッ!?」って顔されるのは分かりますよね。
そこでこのデータを基にパテントマップを作成して視覚化するわけです。

 

FRPの技術を持っているメーカーは誰だ?出願人マップ

各社の特許出願件数を集計してランキングを作成してみましょう。

パテントマップ
東レが最も多くの特許を出願しており、次いで帝人がつづきます。ですが、これだけでは情報が足りません。もしかしたら過去に大量の出願をおこなって、現在は開発を行っていないかもしれませんよね?
そこで時間軸を足して出願の推移をみていきます。
パテントマップ2
このバブルチャートでは横軸に出願年を、縦軸に出願人、バブルの大きさが出願件数を示しています。
東レは毎年継続的に出願を行っていますが、出願件数2位の帝人は2012年に大量に出願した後は尻すぼみとなっています。もしかしたら開発が終わったか、縮小の方針なのかもしれません。逆に三菱レイヨンや王子ホールディングスは出願件数が少ないものの、近年で盛んに出願を行っています。出願件数と推移を視覚化することで開発のパートナー選びの判断材料となることがわかりました。

技術傾向のパテントマップ

FRPの技術が機械の分野においてどのように適用されているか、また、トレンドはどうなっているのかをみていきましょう。

出願人の時と同じように、FRPに関連する集合の中から、機械分野のFI(F:機械工学;照明;加熱;武器;爆破)が付与されている公報を集計します。さらにFIを細分化して集計し、バブルチャートを作成します。
パテントマップ4
このバブルチャートでは横軸が出願年、縦軸は機械の技術分野(上から順に出願件数が多い)、バブルの大きさは出願件数を表わしています。2010年までは「軸」への適用が活発に開発されていたようですが、以降は出願がありません。開発しつくして廃れてしまったのでしょうか?近年では「管」や「圧力容器」の出願が盛んになっているようです。私の勝手な推測ですが、燃料自動車関連の水素タンクや配管なんかが開発対象になっているのでしょうかね?この答えは市場の情報と組み合わせて判断する必要があります。
現在出願が盛んになっている分野はビジネスが拡大する可能性がありますので市場の情報をチェックしてみましょう。そこから自社の技術が応用できそうであれば参入を検討してみる ってところでしょうか。
逆に近年、出願が盛んでは
ない分野である「軸」でもX社の技術を応用すれば大きなブレイクスルーが起せる場合、競合がいないため、逆にブルーオーシャンかもしれません。
技術傾向、トレンドを調査することでどの分野に参入するかの判断材料となります。

競合分析マップ

ちょっと設定が変わりますが、あなたが帝人の知財部員だとしましょう。競合である東レの技術を分析し、自社の開発戦略を考える場合、東レとの技術を対比して分析する必要があります。

2社の付与率件数の多いFIを集計し、対比させたマップを作成します。
パテントマップ5
上記のような技術対比マップを作成することで自社の強みや弱みを把握することができます。
帝人は「人造フィラメント」や「組みひも」の分野で東レにはない技術をもっています。逆に東レは多くの分野で帝人を圧倒しており、帝人が手をつけていない「炭素-炭素~高分子化合物」分野も強いようです。ここからの戦略は市場の情報を取り入れながら判断する必要があります。自社の技術に強みがある分野でマーケットがあればその技術に注力するのもひとつの戦略ですし、マーケットがないのであれば、不利な状況から盛り返す必要があります。
簡単ですが以上です。
いかがでしたか?パテントマップは開発や事業の方針を決める上で有用な情報源となります。経営に近い上層部ほどこういった情報を重宝してくれますので、評価を得るためにもスキルを習得、磨くことをおすすめします。

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