【ファーストリテイリング】セルフレジ訴訟の行方を予想!

銘柄分析

 こんにちは喜至(きし)です。今日はユニクロ(ファーストリテイリング)とアスタリスクのセルフレジをめぐる訴訟の分析と予想をしてみたいと思います。なんでこんな記事を書いたかというと、ファーストリテイリングがアスタリスクの特許を完全に無効化することができず、訴訟によってファーストリテイリング(以下:ファストリ)の株価が下がるタイミングがそう遠くないうちにおとずれると感じたからです。この予想が見事にあたるか、無様にはずれるか、どちらかわかりませんが記録を残しておくことで今後の判断材料にもなるかなと思って書いていきます。

ユニクロ セルフレジ訴訟の流れ

 まずはおさらい。ファストリの子会社であるユニクロが導入したセルフレジをめぐって、セルフレジの特許を保有している株式会社アスタリスク(以下:アスタリスク)が特許権の侵害を理由に差止仮処分の申し立てを裁判所に行っています。最近ではGUも同じく申し立てされてますね。特許や裁判の用語に慣れていない人にとっては「なんのこっちゃ」って感じですよね。

 まずは事の発端から現在(2020年9月時点)までの流れをおさらいしておきましょう。時系列順に要点だけを抜き出したのが下図となります。

 順番にひとつずつ解説していきます。まずアスタリスクは2017年5月にセルフレジの特許を出願して2019年1月に特許を取得しました。これで特許に書いてあるセルフレジを他社が勝手に使うことは許されなくなりました。

 アスタリスクの特許取得から1ヶ月後の2019年2月にユニクロで問題となるセルフレジが導入されます。ユニクロとアスタリスクは特許の利用について交渉を行ってきましたが、交渉途中でファストリがアスタリスクの特許に対して「特許無効審判」を請求します。

特許無効審判とは、成立した特許に対して、「こんな特許は認められるべきじゃなかった!」と特許庁に文句をいうことで特許を無効にする手続きです。言い分が認められると特許は初めから存在していなかったものとされます。

 2019年9月にアスタリスクとファストリの交渉は決裂。アスタリスクは裁判所に「差止仮処分」を申し立てます。

差止仮処分とは、特許権に基づいて特許権侵害品の販売や利用の禁止を求めるもの。損害賠償請求などと違って早期に執行されるメリットがある。

ポイントは「差止仮処分」であって「損害賠償請求」ではないことです。通常、損害賠償請求を行う場合は①ファストリが特許を侵害しているかどうか?→②侵害しているとすれば被害額はどのくらいか? が裁判で議論されます。しかし、差止仮処分の場合は①でファストリが特許権を侵害していると分かった時点で自動レジの使用を法的に禁止することができます。これによってアスタリスク側としては和解→ライセンス契約の流れにもっていきたいものと考えられます。

 しかし、ファストリが請求した特許無効審判で特許が無効化されれば、そもそも裁判で議論されることすらありません。そして2020年8月に特許無効審判の結果が発表され、アスタリスクの特許が存続(一部)することになりました。アスタリスク側はこの生き残った特許を使って引き続き差止仮処分の手続きを継続することを発表しています(アスタリスクのプレスリリースはこちら)。

今後の流れと終結パターン

 今後は生き残った特許の権利範囲がユニクロのセルフレジに当てはまるかがポイントとなります。また、特許権の侵害が認められた場合においてもファストリがとる対応は変わってきますので、最終的にどのような終結パターンがあるのかをみてみましょう。

 全部で3パターンですね。ひとつずつ見ていきましょう。

 ① ファストリにとって一番困るパターンです。ファストリの特許権侵害が認められると、導入した店舗でセルフレジが使えなくなります。また、ファストリの特許権侵害が認められたことがニュースや新聞などで報道されることでしょう。想像してみてください。「使用中止」と書かれたレジがズラッと並ぶ店舗の風景を。一般消費者レベルで「ユニクロがなんかやらかした!」ということが認識されます。インパクトとしては一番大きいですね。

 ② 特許権侵害が認められそうであれば結論が出る前にアスタリスクと和解する。おそらく最も確率が高いパターンだと思います。和解金の支払いやこれからもセルフレジを使用するためのライセンス契約などが締結されます。今後の業績への影響が懸念する投資家さんもいることでしょう

 ③ ファストリのセルフレジがアスタリスクの特許の権利範囲外、または他の理由で特許権侵害が認められないパターン。一番おもしろくないパターンですね(怒られそう(;^ω^))。特にいままでと変わりない日常となります。おそらくこのパターンになる可能性は低いと考えています。アスタリスクは毎月250万円もの弁護士費用を支払ってこの件を進めているそうです。中小企業が年間3000万円もコストを支払うのは勝ち筋が見えているからでしょう。もし無効審判で生き残った特許で勝負するのが心配なら他の保有特許(アスタリスクは計5件のセルフレジ特許がある)で戦ったはずですしね。このパターンになったら弁護士がポンコツだったと諦めます。

差止やライセンスによる業績への影響

 終結パターンが①や②になった場合の影響を考えてみましょう。結論から言うと、私個人としては「一般消費者や投資家が感じるインパクトに比べて、業績への影響は小さい」と考えています。理由は3つ。

1)製品の品質や価値に対して影響はない

 今回の訴訟はあくまでユニクロが利用している「セルフレジ」に対してなので、服そのものの価値や品質にはなんら影響ありません。レジを差止られようがエアリズムはさらさらですし、ヒートテックはあったかいです。まぁこれは誰でも分かりますよね。

2)ライセンス料はそれほど高くない(と考えられる)

 ダイヤモンド・オンラインがアスタリスク社長にインタビューした記事(掲載元はこちら)では以下のように答えています。

アスタリスクで同様のセルフレジでライセンス契約した事例では、レジ1台あたりのライセンス料は1日約500円だという。単純計算すると、国内800店舗×2台×365日で、年間約2.9億円となる。ユニクロの店舗規模から考えれば、ディスカウントになると考えられるため、実際の負担はもっと軽くなるだろう。

 年間2.9億円は無視できない金額だと思いますが、営業利益2500億円を超えるファストリからすれば1%にも満たない金額です。あまり業績への影響は心配しなくていいでしょう。レジをすべて新しいものに入れ替えたり、有人対応にするよりもお安いのでは?

3)影響は国内だけ

 ライセンス料は年間2.9億円と書きましたが、勘のいい方からは

海外の店舗も合わせたらライセンス料はもっと高くなるだろう!

という声が聞こえてきそうです。

大丈夫です。アスタリスクの特許の効力は国内限定です。特許は取得した国でしか効力を持ちません。なので米国で戦うなら米国の特許が必要です。しかし、アスタリスクはこのセルフレジ関連の特許(計5件)については一切、外国出願をしておらず日本でのみ権利を取得しています。また、これから外国で日本と同じ特許を取得することもできません。よって、この問題は国内から外国に飛び火することはないのです。それがわかったところで、ユニクロの国別売り上げ構成比を見てみましょう。

ユニクロ ビジネスレビューより引用

 国内の売り上げは40%弱です。さらに年々、国内の売上構成比は下がり、海外の比率が大きくなる傾向にあります。このことからも業績への影響はそれほど大きくないことが分かります。

買い場のタイミング予想

 終結パターンの①になったら株価に大きく影響を与えると予想しています。②の場合は報道のされ方次第で株価に影響があるものと考えられます。しかし、上にも書きましたが業績への影響は大きくないため、株価への影響は一時的なもので、そう遠くない内に株価がもとの水準まで戻るものと予想しています(あくまで私個人の予想です)。ここまで話を聞いて気になるのは「いつ結果がでるのか?」ですよね?

すみません、それはわかりません笑

 と言いますのも、訴訟はケースバイケースだからです(便利な言葉(;^ω^))。ですが、裁判所が出している統計によると、第一審の平均審理期間は1年半程度です。この期間をあてはめてみると、アスタリスクは2019年9月に差止仮処分を申し立てたので、2021年の上半期にはなんかしらの動きがみられると考えられます。ファストリの株主さんや買い時を狙っている投資家さんにおかれましてはアスタリスクのプレスリリースを定期的にチェックすることをおすすめします。

 

以上となります。いかがでしたでしょうか。ちょっと大胆な予想をしてみました。予想が当たって買い場がきてくれるといいな~と思ってます。予想がはずれたら笑ってやってください(´;ω;`)

これからも特許をからめた銘柄の記事を書いていきます。いいなと思ったらTwitterもフォローいただけると嬉しいです。

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