2021年 特許情報の株式投資への活用方法まとめ

ファンダメンタル分析

こんにちは喜至(きし)です。2020年7月あたりから本格的に個別株への投資をはじめると同時に、「特許情報を株式投資に活用できないか?」を独自に研究し始めました。約1年という節目にここまでの知見をまとめてみたいと思います。

バリュー株投資に活用するパターン

 まずは銘柄の本質的価値に注目して、株価とのギャップからキャピタルゲインを得る「バリュー株投資」からお話しします。今のところ私の中で最もしっくりくる投資方法であり、特許情報の活用と相性がよく、今後も活用余地が広がりそうな方法です。投資までのステップを一覧でまとめてみました。

各ステップの詳細を実際に売買した事例を交えて解説していきます。

①業界選定・分析

 まずはじめに、投資する業界の選定と分析を行います。今年は下記記事のようにロボット業界を選定し、分析を行いました。

 業界の選定では金融機関の経済・産業レポートに目を通して今後、需要が成長していくであろう業界とその要因を確認します。業界を選定したら各種業界レポートを読み込み、業界構造や成長要因・課題を洗い出します。この要因や課題がこの後のマクロ分析で特許情報分析を行う時のキーワードになります。このステップでは特に特許情報を用いた分析を行ったことはないのですが、特許情報から投資する業界・産業を見定める方法があるのではないかと思っています。これは後の課題ですね。

②マクロ分析

 次に選定した産業のプレイヤーの洗い出しを行い、大まかなファンダメンタル分析と技術開発動向の分析を行います。この時、特許情報から継続的に技術開発成果が生まれている企業や業界レポートで挙がっていた課題や成長要因となる技術を持つ企業がどこなのかを判断します。下記記事では産業用ロボットメーカーを対象にマクロ分析を行いました。

 マクロ分析のアウトプットとして、ファンダメンタルと技術開発動向から3段階の格付けを行いました。こうすることで次のステップである銘柄分析(ミクロ分析)を進める銘柄を判断します。上記記事の産業用ロボットメーカーではファナックとFUJIをピックアップしました。

③銘柄分析

 マクロ分析でピックアップした銘柄を詳細に分析していきます。下記記事は実際に投資したFUJIをファンダメンタルと技術開発動向の観点から分析した記事になります。

 ファンダメンタル分析を行う過程で、FUJIがM&Aを行ったことがわかり、技術開発動向分析でその狙いと期待されるシナジーを予想しました。これらの分析によりFUJIが持続的に成長可能な企業であると判断し、投資に至りました。

④購入タイミング、⑤売却タイミング

 最後に売買のタイミングです。いくら良い銘柄でも割高な株価で手を出しては利益を得るのが難しくなってしまいます。以下は売買を判断した時の考えを示したツイートになります。FUJIは分析が終わった段階で購入していたのですが、通期決算で来期の予想が減収減益発表となったことで株価が急落しました。しかし、各種経済指標が示す需要・事業環境から減収減益予想に違和感を感じたため、FUJIの業績予想と実績を調べたところ、毎年かなり保守的に業績予想を行うという「クセ」がある企業であることがわかり、上方修正する可能性が高いと判断し買い増しを行いました。

 購入後も自分が見込んだストーリーが崩れていないかを経済指標を注視して確認。

 各経済指標から売却のタイミングも考えます。

 そしていよいよ決算の発表。結果は自分が予想した通りの大幅上方修正。と同時に景況感や今後のリスクも鑑みて売却も視野に。

 そして、上方修正がカタリストとなり株価上昇。この時点で購入時に見込んだ理論株価まを超える株価になったため売却しました。上記記事で分析したようにFUJIは今後も長期で成長する力のある企業だと考えてますので、割安感がでれば再び購入することを検討したいと思います。

カタリストとして活用するパターン

 バリュー株投資における特許情報の活用は財務や業績を見るだけではわからない情報を補完するために使用しました。ここでは特許そのものが株価を大きく変動させるカタリストになりえるか?の知見を残したいと思います。あくまでこの1年で見てきた私個人の見解です。

株価上昇カタリストとしての可能性

 下記記事では創薬ベンチャーのアンジェスを例に特許取得のIRによって株価が反応するかを検証してみました。結果としては株価上昇はほとんど見込めませんでした。また株価だけでなく特許取得からIR発表までの期間が思っていたよりも長く、ばらつきも大きいことがわかり、特許取得のIRをカタリストとして待ち伏せするのはリスクが大きく、実りの少ない方法だと考えられます。あくまでアンジェス1社をみての結論なので今後、この方法が機能する業界や企業が見つかるかもしれませんが・・・。

株価下落カタリストとしての可能性

 下記記事ではファーストリテイリングの自動レジ特許訴訟の経緯と今後を予想しました。まだ自動レジが差し止められるかの結論はでていませんが(遅すぎじゃない( ^ω^)・・・)、2021年の5月に原告であるアスタリスクの特許の有効性を争った高裁の判決がでました。

 判決は、アスタリスクの特許は有効であり、ファストリ側は無効化に失敗したことで「ファストリ敗訴!」のニュースが流れました。5/30にはTwitterでセルフレジ撤去のデマが流れるなど、そこそこセンセーショナルなニュースとなりましたが、株価はというと・・・。

 高裁での判決後ファストリの株価は下がるどころか上がってますね(-_-;)。差し止めをくらって自動レジが使えない状態にならないとそこまで大きなインパクトではないのかもしれません。途中経過ですが、今のところ株価を下げるカタリストとしても特許はインパクトが薄い印象ですね。今後も訴訟と株価の行方を観察していきたいと思います。

今後の取り組み

 まずはこの1年で手ごたえが得られたバリュー株投資で活用の幅を広げていきつつ、利益を上げていきたいと考えています。次にIPO銘柄や小型ベンチャーを対象とした成長株投資における活用方法も検討したみたいです。上場前や上場間もない企業であれば情報も少なく、特許情報で補完できる情報の幅も広がりそうな気がします。他にも投資への応用方法が思いつき次第ネタとしてストックしていきます。

それでは以上となります。最後までみていただき、ありがとうございました。

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